ChatGPTやGoogleのAI検索など、生成AIを使って情報を探す機会が増えてきました。
これまでのSEOでは「検索結果の上位に表示されること」が大きな目標でしたが、AI検索ではもう一つ、「AIが回答を作る際の情報源として参照・引用されること」という視点が加わっています。
そこで重要になるのが「一次情報」です。
Cocoro’O’Dorでは、これまで100サイト以上のWEB制作に携わり、WEB制作だけでなく、広告運用、営業支援、マーケティング支援など、企業の集客から受注まで幅広く支援してきました。
その実務の中で感じるのは、企業にはすでに大量の一次情報があるということです。
ただ、その多くが商談メモ、社内資料、担当者の経験などに留まり、WEB上には出ていません。
この記事では、AI検索時代に企業がWEBサイトへ蓄積しておきたい一次情報を、実際の支援現場での経験も交えながら7つ紹介します。
AI検索における一次情報とは?

一次情報とは、自社が直接経験・調査・検証した情報です。
たとえば、
「WEBサイトでは導線設計が重要です」
という説明だけであれば、同じような内容を多くのサイトが発信しています。
一方、
「実際のWEB制作では、デザインに入る前に流入・訴求・導線・オファー・コンバージョンを確認し、どこに問題があるのかを整理している」
という情報には、その会社の実務経験が含まれています。
Googleも生成AI検索向けの公式ガイドで、既存情報をまとめるだけではなく、実体験や専門知識に基づいた独自の価値を提供することを推奨しています。
つまり重要なのは、「AIに引用される特殊な文章を書くこと」ではありません。
その会社しか持っていない情報をWEB上に増やしていくことです。
導入事例・支援事例

最も分かりやすい一次情報が、実際の顧客事例です。
ただし、
「ホームページを制作しました」
「広告を運用しました」
「マーケティングを支援しました」
だけでは、一次情報として十分に活かしきれていません。
重要なのは、その過程です。
・どのような課題があったのか
・何を確認したのか
・どのような仮説を立てたのか
・なぜその施策を選んだのか
・実施後どうなったのか
・途中で何を変更したのか
Cocoro’O’DorのWEB制作でも、最初に聞いていた要望をそのまま制作するとは限りません。
ヒアリングを進めると、「本当に解決したい問題は別のところにあった」ということがあります。
制作物そのものだけではなく、「なぜそうしたのか」まで残すことで、事例は単なる実績紹介から、その企業にしか書けないコンテンツになります。
自社で取得したデータ

自社が実際に取得したデータも一次情報です。
たとえば、
・サイト改善前後の数値
・広告のクリエイティブ別の反応
・LPの訴求別の反応
・問い合わせ内容の分類
・顧客アンケート
・商談でよく出る課題
などです。
私たちもMeta広告やLPの検証では、同じ商品でも訴求を変えて反応を見ることがあります。
実際に運用すると、こちらが「これが一番刺さるだろう」と考えていた訴求より、別の訴求の方が反応することもあります。
この「予想と結果のズレ」も重要な一次情報です。
大規模な調査でなくても構いません。
対象期間、件数、条件などを明示したうえで公開すれば、自社だから持っているデータになります。
実際に検証した結果

WEBマーケティングでは、一般論だけでは判断できないことが多くあります。
「この方法が正しい」と言われていても、商品、顧客、価格、流入経路が変われば結果も変わります。
だからこそ、実際に試した結果には価値があります。
Cocoro’O’Dorでも、LPの訴求を複数用意したり、広告クリエイティブを変えたり、導線を変更したりしながら検証します。
ここで重要なのは、成功した施策だけを一次情報だと考えないことです。
「仮説ではAだと思っていたが、実際にはBだった」
「アクセスは増えたが、問い合わせは増えなかった」
「クリック率は高かったが、その後のコンバージョンにつながらなかった」
こうした結果も、実際に試した企業だから持てる情報です。
成功談だけでなく、仮説、実行、結果、考察まで残すことで、コンテンツの独自性が高まります。
顧客から実際に出た質問

企業が意外と見落としているのが、日々お客様から受けている質問です。
Cocoro’O’DorでもWEB制作やマーケティングの相談を受ける中で、
「サイトを作り直した方がいいですか?」
「SNSを頑張っているのに問い合わせにつながらないのはなぜですか?」
「広告を出す前に何を整えればいいですか?」
「どこまで自社でやって、どこから外注すればいいですか?」
といった質問が出てきます。
これらは単なるFAQではありません。
実際の顧客が「どこで判断に迷っているのか」を示す一次情報です。
私たちは営業や商談についても、感覚だけで終わらせないことを重視しています。
顧客が使った言葉、質問、迷ったポイント、反応を残していくと、それ自体がコンテンツや営業改善の材料になります。
検索キーワードだけから記事テーマを考えるのではなく、「実際のお客様から何を聞かれたか」を見ることも重要です。
専門家としての判断基準

「何を知っているか」だけでなく、「どう判断しているか」も一次情報になります。
たとえばCocoro’O’Dorでは、WEBサイトの相談を受けたとき、すぐに「デザインを変えましょう」とは考えません。
まず確認するのは、
・誰をサイトに連れてくるのか
・何を伝えるのか
・どこへ誘導するのか
・どのようなオファーを提示するのか
・最終的に何をしてもらいたいのか
です。
WEBサイトは、ただ情報を掲載する場所ではなく、ユーザーの意思決定を支える装置だと考えているからです。
流入→訴求→導線→オファー→コンバージョンまでを一つの流れとして確認し、どこに問題があるのかを判断します。
こうした判断基準は、長年実務を経験する中で蓄積されたものです。
「AとBのメリット・デメリット」だけではなく、「私たちは、この条件ならAを選ぶ」と書くことで、その会社ならではの専門性が見えるコンテンツになります。
失敗事例・改善事例

成功事例だけが一次情報ではありません。
むしろ実務では、
「思ったほど反応が出なかった」
「アクセスはあるのに問い合わせがない」
「制作したものの、実際の運用では使いにくかった」
ということもあります。
WEB制作でも、制作側から見れば問題がなくても、実際に運用する現場や顧客からフィードバックを受けることで、設計を見直すことがあります。
重要なのは「失敗しました」で終わらせないことです。
なぜ起きたのか。
どの前提が間違っていたのか。
何を変更したのか。
変更した結果どうなったのか。
ここまで整理すれば、失敗も価値のあるコンテンツになります。
一般論としての「正解」より、実際にやってみて分かった「この条件ではうまくいかなかった」という情報の方が、同じ状況にいる人には役立つことがあります。
自社独自のフレームワーク・考え方

企業が日々の業務で使っている「考え方」も、一次情報になります。
Cocoro’O’Dorでは、ディレクションについて「誰かの味方ではなく、目的の味方」という考え方を大切にしています。
クライアントの要望だからすべて実施するわけでも、制作側がやりやすい方法を選ぶわけでもありません。
最終的にどうなりたいのかを確認し、その目的に対して今回どこまで実施するのかを決めます。
また、「ゴールを決めるのがコンサル、ゴールに連れていくのがディレクター」と整理することもあります。
こうした考え方は、一般的な教科書から引用したものではなく、実際の案件を進める中で言語化してきた判断軸です。
自社では当たり前になっている考え方でも、外部から見ると価値のある情報かもしれません。
ヒアリング項目、チェックリスト、仕事の進め方、判断基準などを一度棚卸ししてみることをおすすめします。
一次情報は「作る」より「掘り起こす」

一次情報というと、大規模なアンケート調査や独自研究をしなければならないと思われるかもしれません。
しかし、実際の企業支援をしていると、一次情報がない企業より、「持っているのに公開していない企業」の方が多いと感じます。
商談メモ。
問い合わせ履歴。
顧客から受けた質問。
社内資料。
広告やサイトの数値。
過去の成功と失敗。
担当者が経験から身につけた判断基準。
すでに社内には、コンテンツの材料が大量にあります。
新しい記事をゼロから考える前に、まず社内に眠っている情報を掘り起こしてみてください。
AIで文章を作れる時代だからこそ、「何を持っているか」が重要になる

生成AIを使えば、文章を作ること自体は以前より簡単になりました。
「○○について3000文字で記事を書いて」と指示すれば、それらしい記事は短時間で作れます。
しかし、それは他社でもできます。
だからこそ、これから重要になるのは「AIで記事を作れるか」ではなく、「AIに渡せる独自の材料を持っているか」です。
実際のお客様から出た質問。
実案件で得られたデータ。
予想と違った検証結果。
100サイト以上制作してきた中で蓄積した判断基準。
成功したことだけでなく、うまくいかなかったこと。
これらは、生成AIに「一般的な記事を書いて」と頼んでも出てきません。
企業が持っている経験を一次情報として整理し、その情報をもとにAIを使ってコンテンツ化する。
私たちは、これがAI時代の企業コンテンツ制作において重要になると考えています。
まとめ|AIに書かせる前に、自社にしかない情報を探す

企業サイトに追加したい一次情報は、次の7つです。
1.導入事例・支援事例
2.自社で取得したデータ
3.実際に検証した結果
4.顧客から実際に出た質問
5.専門家としての判断基準
6.失敗事例・改善事例
7.自社独自のフレームワーク・考え方
AIO対策というと、構造化データやllms.txtなどの技術的な施策に目が向きやすくなります。
もちろん、AIや検索エンジンがコンテンツを正しく取得・理解できる環境を整えることも必要です。
しかし、その先にある「何を読ませるのか」がなければ意味がありません。
まずは、自社だから言えること、自社だから持っているデータ、自社だから説明できる判断基準をWEB上に蓄積する。
AI検索時代だからこそ、企業が現場で積み上げてきた経験そのものが、コンテンツ資産になります。
AIO対策全体の考え方や具体的な実施手順については、「AIO対策とは?AI検索時代に企業サイトが取り組むべき実務手順」で詳しく解説しています。
